過去20年間において、自然災害により世界中で約130万人近くが死亡し、数十億人が影響を受け、数百兆ドルの経済的影響がもたらされました。日本はあらゆる自然災害に対し、おそらく最も備えがあり、最も回復力のある国であるにもかかわらず、地震、津波、地滑り、洪水などで、いまだに甚大かつ頻繁に被害を受けています。
近年、日本では外国人居住者の数が増加しています。来日したばかりの外国人居住者は、日本における災害を経験したことがありません。つまりは災害への対処ができない住民が増えているということでもあります。この問題に対処するため、自治体が外国人住民を対象とした防災教育や防災訓練に取り組んでいますが、言葉の壁や文化の違いから、その取り組みは十分とはいえません。現在、日本のさまざまな教育機関には数十万人の外国人留学生が在籍しており、日本の災害リスクに関する知識を高め、日本や他の国で生活する際の災害安全手順を理解させるための防災意識向上プログラムの必要性への対応は、教育機関にとって以前にも増して重要になってきています。
2024年7月12日、愛媛大学メインキャンパス周辺で土砂災害が発生し、住民3名が犠牲となり、数世帯が一時避難、家屋や駐車場が損壊しました。南海トラフ地震が30年以内に80%の確率でこの地域で発生すると予測される中、今年も2度、脅威を感じる規模の地震が発生しました。特に地震のない国から愛媛大学に来た留学生は、日本の地震リスクを理解し、安全対策を学ぶ必要があります。
そこで、本国際講演では、外国人留学生の防災意識を高めるとともに、日本人学生と外国人留学生とが災害に関するコミュニケーションを円滑にすることを目的としています。自然災害について学ぶ機会として、ぜひご参加ください。
名 称:自然災害に関する国際講演
開催日時:2024年11月13日(水)15:00-16:50
開催場所:愛媛大学城北キャンパス 地域協働推進機構2階 研修室
主 催:愛媛大学防災情報研究センター
定 員:30名
備 考:参加費無料
プログラム:
15:00 主催者挨拶
15:05 講演1:災害をマネジメントする: 人間の態度災害を管理する: 人間の態度、行動、
文化はどのような役割を果たすのか?
(Jayalath H. Edirisinghe博士(スリランカ・ペラデニヤ大学上級講師、愛媛大学同窓生)
16:00 講演2:ネパールにおける最近の洪水・地滑り災害: ネパールヒマラヤにおける
異常気象の課題と今後の方向性の分析
(Mandip Subedi博士、防災情報学研究センター客員准教授、ネパール地盤学会会長、
ネパールUniversal Engineering and Science College准教授)
※オンライン配信による講演となります。
16:30 質疑応答
16:45 閉会
参加登録方法:
下記のGoogleFormsをご利用いただくか、以下のQRコードをスキャンして参加登録をお願いします。
Google Forms: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfCbI4sytSHfO3LWf4-UiCe0cWlvLhIgOIlfLf-g2xxh-qS2Q/viewform?usp=pp_url
お問い合わせ先:
Netra Prakash Bhandary (Prof.); netra@ehime-u.ac.jp (Tel: 089-927-8566)
愛媛大学防災情報研究センター・センター長
講師プロフィール:
1.Jayalath H. Edirisinghe:
スリランカでトップクラスの国立大学であるペラデニヤ大学の土木工学の上級講師で、測量、交通工学、交通安全を主な研究テーマとしている。愛媛大学で工学の修士号と博士号を取得。交通工学と交通安全に重点を置いた研究論文を発表。2004年には愛媛大学の長期招聘研究員も務めた。それ以来、主に防災、交通安全、人間行動学などの講義のために、愛媛大学だけでなく日本を訪れている。
2.Mandip Subedi:
スベディ博士は、ネパールのユニバーサル・エンジニアリング・アンド・サイエンス・カレッジで地形・測地を専門とする土木工学の准教授を務めている。ネパール地盤学会の会長も現在務める。ネパールのトリブバン大学で地盤工学の博士号を取得。愛媛大学のネパールでの活動に6年近く協力してきた功績を称え、2024年4月より愛媛大学防災情報研究センター客員准教授に就任。主な研究分野は地盤の液状化で、著名な国際学術誌に研究論文を発表している。また、2022年のGeoenvironmental Disasters誌で最優秀論文賞を受賞した。